春先の西山荘
茨城県常陸太田市に水戸光圀公が、晩年ご隠居様として
10年間過ごされた西山荘があります。山懐に抱かれひっそりと建つ
藁ぶき屋根の隠居は一度野火で消失し、建設当時の3分の1の大きさに
再建されているそうです。
今は観光ルートになっていて、観光バスもまいりますが、
山林を切り開いたそれは山深いところであったことは容易に想像できます。
前回、訪れたのは昨年、紅葉には1週間くらい早い冷たい風の吹く日でした。
2011年の東日本大震災で、建物が傾き1年9カ月を要した半解体規模の
修理が終盤を迎えた頃でした。修理はこの3月に終わっています。
今回の大修理で、江戸時代の木材がそのまま
使われていたりする部分があったりと、いろいろ発見があったようです。
華美な装飾は一切なくひっそりたたずむ様子が、一層山の風景と相まって
いつまでも脳裏に残る風景でした。
通用門は、正門よりも立派に作られていて庶民を大切に思われた
光圀公の気持ちが推測できます。
今回は梅が満開に葉やはり1週間ほど早いらしく、訪れる人もまばらでした。
通用門まで続く小道には梅の木などがありゆっくりゆっくり訪れる春を感じさせて
くれ、とても満足でした。
近くの沼には鴨がいて、鴨の鳴き声が静かな森に染みいるようです。歩き疲れると500円で、お茶をたててくれるところもありますので、日常を忘れてのんびり甘いお菓子に舌鼓を打つのもいいかもしれません。
春の日差しを感じると、足取りも軽くなりますね。少し足をのばして西山荘に出向かれてはいかがでしょうか?きっと鴨たちも大歓迎で、山里の遅い春を満喫できることでしょう。 店舗ひらこ