人々の心や体を癒すハーブ「セージ」

イギリスの古いことわざに、「永遠に生きようとする者は5月にセージを食べること」という言葉があります。

学名のsalviaはラテン語のsalvare「救う」や「治療する」が語源です。セージの officinalisは「薬用の」という意味があります。更に、英名のセージsageは「賢い」という意味も持ちます。花ことばや学名からも推察できる ように、幅広い薬効を持つこのハーブは古くからとても信頼され、庭に植えられ、人々の心や体を癒してきました。

成分としてみても、フェノール酸やツヨンなどの強い抗菌作用や防腐効果を持っています。また、エストロゲン様物質が含まれ、脳や神経の強壮や強力な酸化防止作用があり、老化の進行を遅らせる作用や女性の更年期によい作用を有しています。

ハーブティーは消化を助けます。体や心が疲れていて元気がないときに強壮用のハーブティーとして飲むのもよいでしょう。

セージには様々な種類があり、葉や花の色の違う仲間がたくさんあります。
例えばスタンダードな草丈60㎝のコモンセージやゴールデンセージ、1mを超える大型のクラリーセージなどがあり、初夏から晩秋まで楽しむことができます。庭を彩り蝶や蜂を呼び寄せ彩りも庭の環境も賑やかにしてくれます。

セージの花ことば「幸福な家庭、家庭の徳、家庭的」のように、家庭の庭に植えて楽しみたいハーブです。

代表 鈴木さちよ

ルームスプレーの楽しみ方

セージの葉 2つかみ
水     300 cc

セージの葉を鍋に入れ、分量の水を注いでふたをし、火にかけます。沸騰したら火を弱め、15分間煮て火から下ろします。セージの葉を入れたまま、鍋を水につけて冷まします。

冷めたら、目の細かい布などで漉して液をスプレー容器に移し、お好みでセージの葉を入れます。香りは揮発性なので作っている時に部屋には香りが感じられるのですが、スプレー自体にセージの香りはほぼなく、草のような香りがします。

<手早く作りたい時やもっと香りを楽しみたい時、長持ちさせたい時の楽しみ方>

無水エタノール18ml

セージ精油  5~10滴 (他にラベンダーやローズセラニウムなどの精油をお好みで)

精製水     2ml

無水エタノールをスプレー容器に入れて精油を好みで数滴落とします。仕上げに精製水を加え全体を整えて出来上がりです。

お料理としても

バターと一緒にセージの葉を炒め、魚や鶏肉などに塩こしょうと小麦粉をまぶし、お好みのお野菜と共にソテーします。セージの葉は数枚で充分です。 写真はルームスプレーをつくるときの葉を利用しました。

5月のハーブ:セージ

和名:ヤクヨウサルビア

学名:salvia officinalis

別名:common sage, garden sege, sawge(英名)

原産地:地中海沿岸地方

分類:シソ科 サルビア(アキギリ)属

花ことば:幸福な家庭、家庭の徳、家庭的

特徴:

耐寒性の常緑多年草。高さ幅とも60㎝程。葉はやや細長い卵形で、強い香りがあります。初夏~夏に紫色がかった花をつけます。薬効が多く、心と体を癒してくれるハーブとして古くからヨーロッパで親しまれています。

利用:

調理用としては、豚や鶏肉や魚料理の臭み取りや香り付け。薬用では、口内の洗浄、歯肉炎、のどの痛み、かぜ、消化不良、消化器の強化、衰弱した神経の強化、急な発熱、発汗の抑制、更年期のホットフラッシュ、母乳の分泌過多、無月経、生理痛など、幅広く利用されています。

※続けて1~2週間以上の利用は控えましょう。 妊娠中の場合は特に大量に使用しないように。

参考:

「ハーブ大全」/小学館、 「ハーブ図鑑」/池田書房  萩尾エリ子著、 「オーガニックハーブ図鑑」/文化出版局 Jekka Mcmicar 著、「花のもつ癒しの魅力」/産調出版 アン・マッキンタイア著

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