「神聖な枝(verbena)」という名前を持つ爽やかなハーブ”レモンバーベナー”

学名に神聖な枝という名前を持つレモンバーベナーは何かを誓う時や犠牲を捧げる時等に利用されたようです。魔女伝説にも由来するこの植物の花言葉に 「魔力」というのがあるのも面白いですね。きっと昔の人々は、草からあまりにも素晴らしいレモンのような柑橘系の香りがすることに驚き不思議さを感じてい たのでしょう。

和名のコウスイボクは香水の原料になったことから、ボウシュウボクは明治の末にコレラが流行した時にコレラ除けとして使われたことからきています。爽やか な香りと実用性の高さとハーブティーの美味しさは一押しです。 レモンの様な香りが多くの人に好まれ「ハーブティーの女王」とも呼ばれています。

私たちのハーブガーデンでは、寒い時はマイナス5度以下になるのですが、周りに多くの植物が密集して植栽しているためなのか、ここ2~3年は屋外でマルチングなどもせずに冬を越しています。
今年は背丈も160cm程に達しています。

代表 鈴木さちよ

水だしハーブウォーターの楽しみ方

水          約 1リットル
レモンバーベナーの葉  ひとつかみお好みで
ペパーミントの葉    数枚
レモングラスの葉    数枚
レモンバームの葉    数枚
マロウの花       数輪

水が1リットルほど入る容器にさっと洗ったレモンバーベナーの葉をひとつかみいれます。お好みでミントやレモングラス、レモンバームの葉やマロ ウの花等を生のまま漬け込みます。一晩経つと美味しいハーブウォーターが出来あがります。グラスにレモンバーベナーの葉を一枚浮かべてみると爽やかさが際 立ちます。 みつや梅シロップ等をたすと更に飲みやすくなります。

実は緑茶とハーブティーも相性が良いので、これからの時期は緑茶を飲む時にレモンバーベナーの葉を数枚入れてレモン風味の緑茶として楽しむのもおすすめです。

ハーブの葉からつくるルームスプレー

生のレモンバーベナーの葉  2つかみ強 (乾燥の場合は葉をひとつかみ強)
水      300ml

葉を鍋に入れ、分量の水を注いで蓋をし、火にかけます。沸騰したら火を弱め、15分間煮て、火から下ろします。ハーブを入れたまま冷まします。冷め たら目の細かい布等で濾して液をスプレー瓶に移します。レモンバーベナーが少ない場合はレモングラスやレモンバーム等のハーブをミックスすると虫除け用の スプレーとしても利用できます。保存料(アルコール等)を入れない場合は冷暗所に保存し1週間以内に使い切って下さい。 香りを更に楽しむ場合は水分に対して精油(2%)を加えるといいでしょう。生の葉からのルームスプレーはほのかな香りを楽しむ程度です。
ここに後から白ワインビネガー(酢)大さじ2~3、液体石鹸4~5滴を入れるとガラスクリーナーとしても利用できます。

精油からつくるルームコロン

無水エタノール        18ml
精製水              2ml
バーベナ―の精油       8滴

容器に無水エタノールを入れ、精油を8滴(好みでブレンドしても良い)ゆっくりと垂らし入れる、精製水を入れて完成です。ゆっくり上下を混ぜ合わせて出来上がりです。こちらは3週間以内に使い切って下さい。

9月のハーブ:レモンバーベナー

和名:コウスイボク(香水木)、ボウシュウボク(防臭木)

学名:Aloysia triphylla

別名:ベルベーヌ、リッピア・キトリオドラ

原産地:アルゼンチン、チリ、ペルー

分類:シソ科 クマツヅラカ科 イワダレソウ属

花ことば:寛大、広い心、魔力

特徴:
高さ60~150cmほどに生育します。枝葉はざらざらして薄茶色。先の尖った細い葉を枝の同じ場所から3枚ずつ出します。白や薄紫の小さな花を穂状につけます。寒冷地では冬場は室内で管理するか霜よけのマルチングが必要です。

利用:
吐き気、消化不良、めまい、動悸、偏頭痛、無気力、憂鬱に作用します。レモンの風味の爽やかな紅茶は消化促進に効果的です。
また、魚や七面鳥やアヒルの詰め物料理にも使います。 匂い袋やピローなどのポプリとしても水に葉を浸して美味しい水としても親しまれています。 鎮静作用に優れ、不眠、ストレスには精油を利用します。

参考:
「ハーブの図鑑」萩尾エリ子著/池田書房、「ハーブ学名語源辞典」大槻真一郎、尾崎由紀子著/東京堂出版、「ナードアロマテラピー協会テキスト」、「オーガニック図鑑ジェッカ・マクビカー/文化出版局」

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