柔らかな花の魅力に魅かれて「マロウ」

ローマ時代から薬用として栽培されてきたハーブ。初夏に毎日次々と花をつけ庭を彩るマロウは、ハーブティーとしても楽しむことができます。 花のハーブティーは「夜明けのハーブティー」とも呼ばれ、初めは紫色ですがレモン汁を落とすとぱっとピンク色になるサプライズティーとしても人気です。

近縁種にマーシュマロウやムスクマロウ、タチアオイ、ホリホック等があります。多年生ですので植えておくと毎年夏の時期のガーデンで次々に咲く花に出逢うことができるでしょう。
古代ギリシャ人やローマ人にとってマロウは野菜であり薬草でした。花が常に太陽の方を向いていることから神聖視されていました。ビクトリア朝のイギリスでは金星に支配され、幸せな家庭の門の前にだけよく育つと信じられていました。 学名の「malva」はギリシャ語で「柔らかい」又は「和らげる」を意味する「malakos」であり、これら植物の粘滑作用や緩和作用を示しています。お菓子のマシュマロは近縁種のマシューマローの柔らかなところから名付けられました。

代表 鈴木さちよ

ハーブティとして♪

濃い色の品種のマロウの花:
生なら20輪、乾燥なら10輪位
ややぬるめの湯:200cc
レモン汁:数滴

マロウの花を入れ、ぬるめのお湯をゆっくりと注ぎます。紫色になったらレモン汁を落とすと、ピンク色のサプライズティーに。今回は薄い色の品種のマロウの 花で試したところブルーの色がうまく出ませんでした。ピンクもほとんど透明に…。いつも青く出るわけではないので青くなった時の喜びはひとしおです。濃い 色の品種を乾燥させたほうが色が出やすいかもしれませんね。

7月のハーブ:マロウ

和名:ウスベニアオイ(薄紅葵)

学名:Malva sylvestris

別名:common mallow コモンマロウ ブルーマロウ

原産地:ヨーロッパ(イギリス)

分類:アオイ科 ゼニアオイ属

花ことば:柔和な心

特徴:
耐寒性の多年生ですが、寿命は短いです。高さは100~200cm ほどになり、左右に60cmほど広がります。6月~8月頃には薄い紅紫色で愛らしい柔らかな表情の花を付けます。緑色の葉を食用にも出来ます。
利用:

マロウの若い葉と花芽は野菜としてサラダにするか、 蒸して食べられます。花は爽やかなハーブティーやうがい液(喉の痛みの緩和)として、また化粧水として(肌の炎症、傷の緩和)も利用できます。根や葉の煎 じ液を風呂に入れれば吹き出物やおできなどによい作用があります。マロウは粘液が多く咳止めに効果があり、尿路障害を軽減する作用もあります。

参考:
「オーガニックハーブ図鑑」 ジェッカ・マクビカー/文化出版、「ハーブハンドブック」 蓼科ハーバルノート/池田書店、「まるごとハーブBook」 主婦の友生活シリーズ、「フラワー治療事典」 アン・マッキンタイア/産調出版

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