優しい樹形に秘められた強い殺菌力「ユーカリ」

オーストラリアの解熱の木と名付けられたユーカリは、オーストラリアの先住民族アボリジニの伝統的な解熱薬として利用されていました。
精油(アロマオイル)の性質は樹種によってわずかに異なりますが、どれも非常に強い殺菌作用があると言われています。ユーカリラディアータのツーン としたシネオール臭は神経を高揚させてくれます。現在は直接葉を煎じて利用するなどは行われていないので、精油や観賞用のクラフトとして利用しましょう。

また、園芸種(切り花用)として出回っているのがユーカリグニー、こちらも触ると爽やかな香りがして、綺麗なドライフラワーになります。フラワーアレンジにリースにと、冬場によく利用します。栽培種としても、こちらの種類が栽培しやすいようです。

毎年、晩秋に根本から深く剪定をすると、樹形がコンパクトに抑えられ扱いやすいです。種類によっては寒さに弱い種類もあるので冬は防寒対策が必要なものもあります。

今の時期は、薪ストーブの上のスチーマーにユーカリ、モミ、タイムを入れて香りを楽しみます。香りはもちろんですが、庭からの素敵なプレゼントはなんとも豊かな気持ちをもたらしてくれます。
また、木製のペンダントにお気に入りの香り(精油)とともにブレンドして、今日の香りを持ち歩きます。今日はユーカリラディアータ、ラヴィンツァラ、タイムツヤノールです。爽やかですっきりとした気分です。

代表 鈴木さちよ

ユーカリの効能効果を利用して

蒸気で「吸入ケア」

お湯にユーカリの精油や葉を加えて、蒸気を吸い込む方法です。
風邪などの抗ウイルス対策や、気管支のケアとして利用できます。

葉を利用する場合:
ユーカリの葉 2~3枚程度   お湯  コップ1杯程度
風邪やインフルエンザなどの症状に。数枚の葉に熱湯を注ぎ、蒸気を吸入します。

精油を利用する場合:
ユーカリの精油 10滴    お湯 コップ1杯程度
風邪やインフルエンザなどの症状に。少量の熱湯に精油を10滴ほどたらし、蒸気を吸入します。

※熱湯のためやけどに注意してください。

精油で「塗布ケア」

精油と植物油を混ぜたオイルを塗ることで、去痰や鎮咳などの症状緩和が期待できます。

精油(ユーカリラディアータ) 10~20滴
植物油(アロマ用のホホバ油やファーナス油をお好みで)5ml
よく混ぜ合わせたものを遮光瓶にて保存利用します。

1日4回、胸と背中に3滴を塗布します。風邪やインフルエンザ対策の定番として子供から高齢者にも使いやすい組み合わせです。 (体調を見ながら量は調節してください。症状が数日しても改善されない場合は専門の医療機関を受診してください。)
★葉・精油ともに、ラヴィンツァラ、タイムツヤノール、ローズウッドなどの合わせ使いも可能です。

2月のハーブ:ユーカリ

和名:ユーカリ
学名:Eucalyptus radiata ssp. radiata
別名:スポテットガム、Cider Gum
原産地:南ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアなど
分類:フトモモ科
花ことば:新生、再生

特徴:
ユーカリの種類は5000種以上もあると言われています。コアラが食する木としても知られています。成長がとても早く、水を多く吸い上げます。乾燥した土地でも日当りと水はけがよければよく育ちます。

利用:
殺菌、防腐、鎮静、風邪などに効能があり利用されます。アロマオイル「ユーカリラディアータ」の作用は抗カタル(粘膜の炎症を抑制する)、去痰、抗ウィル ス、抗菌、免疫刺激、鎮咳、活力増強、神経緊張の調整、粘液分泌腺刺激、鬱滞・鬱血、鼻の鬱血除去、呼吸系鬱血除去、抗炎症、抗感染、粘液溶解、神経強 壮、精神強化、精神高揚などさまざま。ユーカリの種類によって含有成分が異なるので作用も異なります。「ユーカリラディアータ」はユーカリの精油の中では 刺激が少ない種類で、広い年齢層に利用できます。 用法容量を守れば禁忌はありません。

参考:
「とっておきのハーブ百科」ブティック社、 「ケモタイプ精油小事典」ナード・アロマテラピー協会、 「薬用ハーブ完全図解ガイドメディカルハーブ」ペネラピ・オディ著/日本ヴォーグ社

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