今を生きる喜びを思い出させてくれるハーブ「ハニーサックル」

昨年6月にイギリスの薬用植物園を視察した際にバッチセンター(The Bach Centre)という場所を訪れました。バッチ博士は医者として病気を治療していましたが、病気を治すために個人の持っている感情(思い癖)が治療の妨げ になることに気づき、感情に働きかける植物療法「フラワーレメディー」を開発しました。

私が訪れた6月末のバッチセンターは、ハニーサックルが色鮮やかに咲きそろっていました。バッチ博士によると、例えばハニーサックルをつかった「フラワー レメディー」は、過ぎ去った思い出に執着したままで前に進めなくなっている人に今を生きる喜びを思い出させてくれるものだそうです。明るく甘い花を眺めた り匂いを嗅いでいると気持ちが明るくなり明日への英気が湧いてきます。
過ぎた悲しい思い出や逆に楽しかった思い出にとらわれてしまって、今生きていることが夢心地になってしまっている場合などに良いようです。

また、英国では8世紀初頭、ハニーサックルは最古の部類に入る花の名称として知られています。この名前は密のように甘い香りに由来し、多くの詩人や作家にインスピレーションを与えてきました。 甘い香りを嗅いで不安や瞑想から抜け出して、今を生きる新たな喜びで毎日をよりよき日々にしていきましょう。

代表 鈴木さちよ

ハニーサックルの薬用茶として

水600mlに対してハーブ10~15gの割合でつくります。
花は、金銀花と呼ばれ、夏の暑さによる熱性症状の対策などに広く用いられています。 頭痛、喉の渇き、喉の痛みを症状とした発熱性の風邪の初期に煎じて利用します。
茎や枝は、金銀藤、忍冬藤と呼ばれ、気の循環を促して経絡から熱を取り去ります。関節痛のあるインフルエンザ対策に利用されます。 葉は、抗菌物質が含まれているため呼吸器や胃腸の感染に有用です。神経系に対する鎮静作用があるので喘息や頭痛、胃痙攣のような不安や緊張に、また症状が 悪化した場合におすすめです。

6月のハーブ:ハニーサックル

和名:ニオイニンドウ

学名:Lonicera

L. periclymenum(ヨーロッパハニーサックル)

L.japonica (ジャパニーズハニーサックル)

別名:スイカズラ、ロニセラ、ウッドバイン

原産地:ヨーロッパ、日本、韓国、中国

分類:スイカズラ科
花ことば:愛の絆 献身的な愛 誠実

特徴:
常緑または半常緑の葉で、細毛に覆われています。春から夏に芳香のある花を咲かせます。花が咲いた後には有毒の黒い漿果(しょうか)がつきます。草丈は4m以上になるもの等多様で、蔓状の繁殖力旺盛な植物です。日なた~やや日陰を好みます。

利用:
ヨーロッパハニーサックル:利尿作用、抗痙攣作用、去痰作用、緩下作用など
ジャパニーズハニーサックル:抗菌作用、血圧降下作用、抗炎症作用、穏やかな利尿作用、抗痙攣作用
下痢やインフルエンザ、咳、咽頭炎、おでき、リンパ腺の腫れ、食中毒の治療などに利用されます。

参考:
「フラワー療法事典」アン・マッキンタイア著/産調出版、 「ハーブ大全」リチャード・メイビー著/小学館、 「メディカルハーブ」ペネラピ・オディ著/英国ハーブソサエティ/編

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