千の用途を持つ木『リンデン』

今回は「花、葉」はハーブとして、「木部」は家具の材料として、あらゆる部位を利用できることから「千の用途を持つ木」とも呼ばれる『リンデン』をご紹介します。

リンデンは西洋ボダイジュとも呼ばれ、ゆっくり成長し寿命が長いことからヨーロッパでは街路樹や公園などに植えられている落葉高木です。6〜7月には花を咲かせ、その頃には街中が甘い香りに包まれます。

▲2018年の6月に、長野県茅野市の蓼科ハーバルノートシンプルズの「萩尾エリ子先生と行くバルト三国ハーブの旅」でラトビアへ訪れた際の一枚。街路樹がリンデンです。

リンデンの花は優れたリラックス効果を持ち、そのお茶は緊張や不安を和らげ、眠りを助け、落ち着きがなく興奮しやすい子供をなだめ、筋肉の張りをほぐします。様々な痛みを鎮め、発汗作用に優れていることから風邪やインフルエンザにも用いられます。

▲リンデンの花

リンデンは女性美、美しさ、幸福、夫婦愛、優しさ、平和を象徴しています。

鈴木ハーブ研究所のハーブガーデンにも植えられているリンデンは、シンボルツリーとしてガーデンの真ん中で木陰を作ってくれています。

▲鈴木ハーブ研究所のハーブガーデン

リンデンの楽しみ方

ブレンドハーブティー

~和らぎのお茶~

<材料>

リンデンフラワー 適量

オレンジフラワー 適量

リンデンとオレンジの花の甘い香りは不安や興奮を鎮め、心身の緊張を和らげます。

ジャーマンカモミールやレモンバームなどとブレンドしても良いでしょう。
就寝前のあたたかなハーブティーはリラックスでき、より良い眠りを誘ってくれます。ハチミツやミルクと合わせても美味しくいただけます。

〜風邪のひき始めのお茶〜

<材料>

リンデンフラワー 適量

エルダーフラワー 適量

ペパーミント   適量

リンデンとエルダーの花のお茶は共に発汗作用に優れ、皮膚表面の血流を増やして発汗を促してくれます。鼻づまりや喉の痛み、咳などを和らげます。抗菌作用の高いマヌカハニーなどと共に飲用するのもオススメです。

文章

鈴木さちよ 著

監修

管理栄養士 坂本禮子

参考文献

『プロフェッショナルハーブ療法』アン・マッキンタイア著 ガイアブックス

『ハーブのすべてがわかる事典』ジャパンハーブソサイエティー著 ナツメ社

『メディカルハーブの事典』林真一郎編 東京堂出版

『花のもつ癒しの魅力〜フラワーヒーリング図鑑』アン・マッキンタイア著 産調出版

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